ルビーマウンテンはどんな味?淹れ方で見えたベトナムコーヒーの個性

コーヒー豆レビュー

「中深煎り〜深煎りで美味しく飲めるコーヒーはないかな」そう思って調べていたところ、ベトナムの”ルビーマウンテン”といういかにも美味しそうな名前の豆を見つけました。

ベトナムコーヒーというと、コンデンスミルクで飲むスタイルを思い浮かべる方も多いと思います。ベトナムコーヒーの味の特徴といえば苦味が強くどっしりとしたイメージですが、今回は”豆そのものの味”に注目していきます。

ベトナム産のコーヒー豆と聞くと苦味と渋みが強いロブスタ種というイメージでしたが、ルビーマウンテンはアラビカ種でベトナム全体の生産量のわずか5%といわれる希少な豆です。

調べてみると、柔らかな酸味やコク、心地よい苦味を持つバランスの良さが特徴とされていました。

ただ、実際にどんな味なのか、また抽出方法によってどこまで印象が変わるのかは飲んでみないと分かりません。

今回はペーパードリップ・フレンチプレス・ネルドリップの3つの抽出方法で飲み比べながら、ルビーマウンテンらしさが最も感じられたのはどれだったのかを検証していきます。 

この記事で分かること

・ルビーマウンテンはどんな味だったのか

・ペーパー・ネル・フレンチプレスで味はどう変わるのか

・ルビーマウンテンらしさを最も感じた抽出方法


ルビーマウンテンとは?

ルビーマウンテンの特徴として一般的に言われているのは、柔らかな酸味・優しいコク・心地よい苦味が調和したバランスのよさです。産地であるベトナムでも品質向上を意識して栽培・精製されており、一部では「ベトナムのブルーマウンテン」と呼ばれることもあります。

また、完熟ベリーのような甘味や柑橘系の爽やかさ、アーシー(湿った土や森の腐葉土を連想させるコーヒー特有の風味)な個性を持つとも言われています。

今回の検証では、こうした特徴が抽出方法によってどのように表現されるのかを確かめていきます。


今回の検証条件

項目内容
ベトナム ルビーマウンテン
焙煎度中深煎り
精製方法ウォッシュド
比較した抽出方法ペーパードリップ/フレンチプレス/ネルドリップ
豆量・挽き目・湯量各抽出に合わせて調整

今回検証では、各抽出方法の特性に合わせて豆量や挽き目を調整しています。

そのため条件は完全に統一していませんが、それぞれの抽出方法で無理のない範囲で味がしっかり出るようにしています。 

今回使用した豆はこちら。

以前から何度か利用しているショップで、価格がリーズナブルなわりに安定した味わいが続いていること、そして焙煎度を選べる点が決め手でした。今回は中深煎りを選びましたが、焙煎度による味の違いも今後検証していく予定です。



抽出方法別レビュー

ペーパードリップ

抽出条件: 豆 15g / 湯量(投入量) 225ml / 中粗挽き / 86℃ / 抽出時間 3分

実際に飲んだ感想

一口目はやや重みのある苦味とコクのある甘味があり、ビターチョコレートのような風味を感じました。

事前に調べたときは「バランスの良い豆」という印象が強かったのですが、最初に感じたのは意外にも苦味の存在感でした。ただ、その苦味は強く主張するというより、後から出てくる甘味を支える土台のような印象でした。

飲み進めていくと完熟したベリーを思わせる酸味と甘味が加わり、後味には微かに黒糖のような余韻も感じ始めました。最初は苦味中心のコーヒーだと思っていましたが、温度が少し落ち着くにつれて印象が変わり始めました。

徐々に冷めてくると苦味と酸味のバランスが近づき、柑橘系のジューシーな酸味が顔を出しました。特に印象的だったのは、冷めても味がぼやけなかったことです。苦味が消えるというより、酸味や甘味が少しずつ前に出てきたように感じられ、一杯の中で違う表情を見せてくれました。後味の黒糖感もさらに増し、最後まで変化を楽しめました。

全体的には、やや苦味が前に出ていますが、時間の経過とともにベリー系の酸味や黒糖のような甘味が現れ、味の変化を最も自然に楽しめた抽出でした。

ルビーマウンテンの特徴としてよく挙げられる「苦味・酸味・甘味のバランス」が最も分かりやすく表現されており、今回の比較では基準となる一杯だったと感じました。初めて飲む方や、この豆本来の個性を知りたい方は、まずペーパードリップから試してみるのがおすすめです。 

今回使用したドリッパーは扱いやすく、味の変化も追いやすかったため、抽出方法をこれから試してみたい方にも使いやすいと思います。


フレンチプレス

抽出条件: 豆 15g / 湯量(投入量)225ml / 粗挽き / 86℃ / 抽出時間 4分20秒

実際に飲んだ感想

カップに注いだ瞬間、まず目に入ったのは表面に浮かぶコーヒーオイルでした。これまでフレンチプレスで抽出した中でもオイル感がかなり強く、口に運ぶ前からいつもとは違う仕上がりになりそうだと感じました。 

そして実際に飲んでみると、その期待以上に甘味が印象的でした。

口当たりはなめらかで、スイートポテトのようなねっとりとした甘味が広がります。これまで様々な豆をフレンチプレスで飲んできましたが、その中でも特に甘味が印象に残る一杯でした。ペーパードリップでは苦味が印象的だったため、同じ豆でここまで違う表情を見せるとは正直予想していませんでした。

飲み進めていくとスパイシーな風味が加わり、後味には黒糖のような深い甘味も感じられました。コーヒーオイルがしっかり抽出されているためか、味わい全体に厚みがあり、ペーパードリップとは違った濃厚さがありました。最初は本当に同じルビーマウンテンなのかと思ったほどでした。

冷めてくると少しずつ酸味と苦味も現れましたが、どちらも主役になるほどではありませんでした。冷めるにつれて、アーシーな風味からナッツのような香ばしさへ印象が変化していくのが面白く感じられました。温かいうちは甘味中心だった一杯が、最後には少し複雑な表情を見せてくれました。

全体的には苦味と酸味は控えめで、甘味が主役の一杯でした。ペーパードリップと比べると相対的に甘味が強く感じられ、ルビーマウンテンのまた違った一面を楽しめました。甘味をじっくり楽しみたい方や、苦味や酸味が強いコーヒーが苦手な方には特におすすめの抽出方法だと思います。

今回の比較では、フレンチプレスだけが見せてくれたルビーマウンテンの表情がありました。苦味よりも甘味が前に出てきたことで、同じ豆とは思えないほど印象が変わったのは正直驚きでした。ルビーマウンテンの違った一面を試してみたい方は、ぜひ一度フレンチプレスでも飲んでみてください。


ネルドリップ

抽出条件: 豆 15g / 湯量(抽出量)200ml / 中挽き / 湯温 86℃ / 抽出時間 3分

実際に飲んだ感想

まず印象的だったのは、抽出中に立ち上る香りでした。コーヒーらしい香ばしいアロマが広がり、飲む前から期待が高まりました。

実際に口にすると、まず感じたのはしっかりとした苦味と重厚感でした。今回の豆は中深煎りですが、体感としてはそれ以上に深煎り寄りに感じられ、アーシーな風味も前面に出ていました。

一方で印象的だったのは、その重厚感に対して後味が非常にクリーンだったことです。苦味やコクはしっかりあるのに雑味が少なく、飲み終えた後は意外なほどすっきりしていました。良質な豆だからなのか、ネルドリップ特有のコクとクリーンさがうまく両立しているように感じました。

飲み進めていくとローストナッツのような香ばしさも現れ、ルビーマウンテンが持つアーシーな個性に少しずつ奥行きが加わっていきました。最初は重厚な苦味が中心だったのですが、時間の経過とともに味わいの層が増えていくような印象でした。

冷めてくると酸味と甘味が顔を出し始め、印象はさらに変化しました。特に後味はなめらかで、ベルベットのような舌触りと微かにキャラメルを思わせる甘味が残りました。温かいうちの重厚な印象から、冷めるにつれて芳醇さや甘味が見えてくる変化も面白く、最後まで飽きずに楽しめました。

全体的には、3つの抽出の中で最もルビーマウンテンのアーシーな個性や重厚感が表現されていた一杯でした。一方で後味は驚くほどクリーンで、重さだけで終わらないところにこの豆の品質の高さを感じました。

コーヒーらしい重厚感やコクを楽しみたい方、アーシーな風味が好きな方には特に印象に残る抽出方法だと感じました。

今回使用したネルドリップは、ルビーマウンテンのアーシーな風味や重厚感だけでなく、冷めてから現れる甘味や余韻の変化までじっくり楽しませてくれました。味の変化を追いながらコーヒーを楽しみたい方は、ぜひ一度試してみてください。


比較まとめ:3つの抽出でどう変わったか

抽出苦味酸味甘味一言
ペーパードリップ★★★★★☆★★☆個性の基準点
フレンチプレス★☆☆★★☆★★★★甘味が際立つ
ネルドリップ★★★★★★☆★★☆重厚なのにクリーン

同じルビーマウンテンでも、抽出方法によって見えてくる個性は大きく異なりました。ペーパードリップはバランスの良さ、フレンチプレスは甘味、ネルドリップは重厚感と、それぞれ違った魅力を楽しめる結果となりました。 


結論:ルビーマウンテンの“本来の個性”が最も感じられたのはペーパードリップ

今回3つの抽出方法で飲み比べてみた結果、ルビーマウンテンの持つ「苦味・酸味・甘味のバランス」を最も自然に感じられたのはペーパードリップでした。

一口目の苦味から始まり、温度が下がるにつれてベリーのような酸味や黒糖を思わせる甘味が現れ、一杯の中で表情が変化していく様子を最も分かりやすく楽しめました。

一方で、フレンチプレスでは驚くほど甘味が前に出てきました。同じ豆とは思えないほど印象が変わり、ルビーマウンテンが持つ甘味のポテンシャルを再発見できた一杯でした。

ネルドリップではアーシーな風味や重厚感が際立ち、この豆が持つ深みやコクをじっくり味わうことができました。重厚な味わいでありながら後味はクリーンで、個人的にはルビーマウンテンと非常に相性の良い抽出方法だと感じました。

今回あらためて感じたのは、ルビーマウンテンの魅力は単純な苦味や甘味ではなく、それらがバランスよく共存していることでした。そして、その個性は抽出方法によって想像以上に表情を変えてくれました。

特に印象的だったのは、どの抽出でもしっかり個性が現れながら、根底にはルビーマウンテンらしいまとまりの良さが感じられたことです。抽出方法によって味を作り替えるというより、同じ豆の違う一面を見せてもらったような感覚でした。

もし今回のレビューを読んで「ルビーマウンテン」が気になった方は、ぜひ実際に飲み比べながら自分に合う楽しみ方を探してみてください。ペーパードリップではバランスの良さ、フレンチプレスでは甘味、ネルドリップでは重厚感と、それぞれ違った魅力を楽しめると思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました