深煎りと浅煎りの間をつなぐ一杯?エチオピア シャンタウェネの魅力とは

コーヒー豆レビュー

エチオピアコーヒーと聞くと、「酸味が強そう」「フルーティーすぎて飲みにくそう」と感じる方もいるのではないでしょうか。

一般的にエチオピアは華やかな香りや果実感が魅力とされていますが、焙煎度や抽出方法によって印象は大きく変わります。

今回レビューするのは、中深煎りのエチオピア シャンタウェネです。

一般的には白桃やベリー系を思わせる華やかな風味が特徴とされる豆ですが、実際に飲んでみるとどのような味わいなのでしょうか。

そこで今回は、ペーパードリップ・フレンチプレス・ネルドリップの3つの抽出方法で飲み比べながら、その違いを確かめてみました。

この記事でわかること

  • エチオピア シャンタウェネは実際にどのような味わいだったのか
  • 中深煎りのエチオピアは酸味や甘さをどのように感じるのか
  • ペーパードリップ・フレンチプレス・ネルドリップで印象はどう変わるのか

エチオピア シャンタウェネとは?

エチオピアには数多くのコーヒー産地がありますが、特に有名なのが華やかな香りで知られるイルガチェフェと、ベリー系の甘みやバランスの良い味わいが特徴のシダモです。

今回使用しているシャンタウェネは、そのシダモ地域の中でもベンサ地区にある小さな村の名前で、近年スペシャルティコーヒーの中でも注目されるエリアのひとつです。

一般的には白桃やベリー系を思わせる華やかな風味が特徴とされています。


今回の検証条件

項目内容
エチオピア シャンタウェネ
焙煎度中深煎り
精選方法ナチュラル
比較した抽出方法ペーパードリップ/フレンチプレス/ネルドリップ
豆量・挽き目・湯量各抽出に合わせて調整

今回の検証では、各抽出方法の特徴をできるだけ引き出せるよう、豆量や挽き目などは完全には統一していません。それぞれの抽出方法で無理なく味が出る条件に調整しながら、実際に飲む前提で比較しています。


今回使用した豆はこちらです。

今回使用したのは、「葉山イヌイットコーヒーロースター」で購入したエチオピア シャンタウェネです。

焙煎度はシティロースト(中深煎り)

ショップでは、フローラルな香りとフルーティーな酸味、甘みのバランスが楽しめるコーヒーとして紹介されています。

今回は、その特徴が実際に感じられるのか、またペーパードリップ・フレンチプレス・ネルドリップの3つの抽出方法でどのように印象が変わるのかを飲み比べながら検証していきます。



抽出方法別レビュー

ペーパードリップ

抽出条件: 豆 15g / 湯量(投入量) 225ml / 中粗挽き / 88℃ / 抽出時間 3分

実際に飲んだ感想

最初に口に含むと、微かにフローラルな香りがふわっと鼻を抜け、白桃を思わせる華やかな印象が広がりました。

エチオピアのナチュラル精選らしい華やかな風味をイメージしていたこともあり、もっと酸味が際立つ味わいを想像していましたが、実際には思ったより穏やかな印象で、「意外と飲みやすいな」というのが最初の感想でした。

飲み進めるにつれて程よい酸味が現れ、白桃のような果実感と優しい甘さのバランスが心地よく感じられました。そして後味にはミルクチョコレートを思わせるまろやかな甘さが残り、果実感だけで終わらない味わいでした。

冷めてくるとラズベリーのようなフレッシュな酸味が、より果実感がはっきりしてきました。それでも余韻には香ばしいチョコレート感が続くため、最後まで全体のバランスが崩れることはありませんでした。

これまで飲んできたコーヒーは、フルーティーさが際立つものか、チョコレートのような甘さが主体のものか、どちらかに寄る印象がありました。しかしこの一杯は、飲み始めに華やかな果実感を楽しみ、最後はミルクチョコレートのような甘さがやさしく包み込んでくれるような味わいで、その共存ぶりがとても印象的でした。フルーティーなコーヒーに興味はあるものの、酸味だけが強い一杯には少し不安がある方でも挑戦しやすいと感じました。

今回は HARIO V60 を使用して抽出しました。普段の飲み比べでもよく使っているドリッパーで、今回も風味の変化をじっくり楽しむことができました。


フレンチプレス

抽出条件: 豆 15g / 湯量(投入量) 225ml / 粗挽き / 88℃ / 抽出時間 4分30秒

実際に飲んだ感想

ひと口飲むと、ペーパードリップ以上にフローラルな香りがふわっと鼻を抜け、甘さもより前に感じられました。後味はまろやかで、麦チョコを思わせる香ばしい甘さを感じました。

飲み進めるにつれて程よい酸味も感じられるようになりましたが、全体としてはあくまで甘さが主体のバランスでした。特に白桃を思わせる果実感はペーパードリップ以上にはっきり感じられ、華やかさと飲みやすさがうまく共存していました。

冷めてくると、白桃の印象からオレンジを思わせる甘酸っぱさへと少しずつ表情が変化し、それでも後味の口当たりはマイルドで、最後まで落ち着いた飲み心地でした。

今回一番驚いたのは、ペーパードリップ以上にフローラルな香りや白桃のような果実感がはっきり感じられたことです。これまで私の中でフレンチプレスは、とろみがあり甘さは引き立つものの、フレーバーはややぼやけるイメージがありました。しかし実際に飲んでみると、その予想とは反対に華やかな風味がより印象的で、「酸味の強さとフレーバーの強さは必ずしも一致しない」という新たな発見にもつながりました。この体験を通して、私自身のフレンチプレスに対する印象が変わった一杯でした。

今回はボダムのフレンチプレスを使用して抽出しました。普段の飲み比べでもよく使っている器具で、今回も抽出方法による風味の違いをじっくり楽しむことができました。


ネルドリップ

抽出条件: 豆 15g / 湯量 225ml(抽出量) / 中挽き / 88℃ / 抽出時間 2分30秒

実際に飲んだ感想

ひと口飲んだ瞬間に感じたのは、丸みのあるやさしい甘さでした。「ペーパーより口当たりがなめらかになり、その分フレーバーは少し穏やかになるのでは」と予想していましたが、実際もそのイメージに近く、酸味は控えめで全体的にマイルドな第一印象です。強いて言えば白桃のような果実感をわずかに感じましたが、後味にはミルクチョコレートを思わせるやさしい甘さが残りました。

飲み進めると程よい酸味も顔を出しますが、後に引くことなくすっと消え、そのあとに甘さが口の中へ広がっていきました。余韻には香ばしさも加わり、ミルクチョコレートというより麦チョコを思わせるような印象でした。

冷めてくると、ラズベリーを思わせるようなフルーティーさも感じられましたが、その風味も一瞬で抜けていくため主張は強すぎず、全体としては最後までマイルドな飲み心地です。やや厚みのあるなめらかな質感も相まって、落ち着いた味わいを楽しめました。

今回のネルドリップは、予想していた通り「風味を際立たせる」というより、「全体をやさしくまとめてくれる」抽出方法という印象でした。ペーパーやフレンチプレスほど華やかなフレーバーは感じなかったものの、その分まとまりが良く、今回の3つの抽出の中では最もマイルドな一杯だったように思います。 フルーティーさを前面に楽しみたい方よりも、まろやかな口当たりやチョコレートのような甘い余韻をゆっくり味わいたい方に向いていると感じました。

今回は愛用しているネルフィルターを使用して抽出しました。やや厚みのあるなめらかな口当たりが印象的で、抽出方法による質感の違いを楽しみたい時にも面白い器具だと感じています。


比較まとめ:エチオピア シャンタウェネは抽出方法でどう変わる?

抽出酸味甘味主な風味一言
ペーパードリップ★★☆★★☆白桃・ラズベリー・ミルクチョコレート果実感と甘さのバランスが良い
フレンチプレス★★☆★★★白桃・フローラル・麦チョコ華やかな風味が最も印象的
ネルドリップ★☆☆★★★やさしい果実感・麦チョコ最もマイルドで飲みやすい

今回の飲み比べでは、どの抽出方法でも後味にはチョコレートを思わせる甘さが感じられ、大きな苦味はほとんどありませんでした。

一方で、ペーパードリップは果実感と甘さのバランスが良く、フレンチプレスはフローラルな香りや白桃のような風味がより際立つ結果に。ネルドリップはフレーバーは穏やかになるものの、なめらかな口当たりとマイルドな飲み心地が印象的でした。

同じ豆でも抽出方法によって印象が大きく変わり、それぞれ異なる魅力を楽しめる結果となりました。


結論:フルーティーなコーヒーに挑戦したい人へ 

今回飲んだエチオピア シャンタウェネは、「フルーティーなコーヒーに興味はあるけれど、酸味だけが際立つ味わいは少し苦手かもしれない」と感じている方にぴったりの一杯でした。

白桃やラズベリーを思わせる華やかな風味を感じながらも、飲み終えた後にはチョコレートのようなマイルドな甘さが残り、最後までバランス良く楽しめます。個人的には、この絶妙なまとまりは中深煎りという焙煎度だからこそ生まれた魅力なのではないかと感じました。

飲み比べを通して、抽出方法による違いはもちろん、焙煎度によってフルーティーな風味と甘さがここまで自然に共存することにも驚かされました。深煎り中心で飲んできた方が、新しい味わいに挑戦するきっかけとしても面白いコーヒーだと思います。

もし私と同じように「フルーティーなコーヒーは気になるけれど、酸味が強すぎるものは不安」と感じているなら、今回使用したエチオピア シャンタウェネをぜひ一度チェックしてみてください。私自身にとっても、「エチオピア=酸味が強い」というイメージが変わるきっかけになった一杯でした。

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